「今年も賃上げしないといけないのか…でも、うちの会社にそんな余裕はない」と感じていませんか?
2026年の春闘では、大手企業を中心に5%を超える賃上げ回答が相次ぎました。こうした流れは、もはや大企業だけの話ではありません。中小企業にも「賃上げの波」が確実に押し寄せてきています。
本コラムでは、賃上げ時代における実務対応についてをわかりやすくお伝えします。
賃上げしないと、採用も定着もできない時代に

かつては「中小企業だから、賃金が低くても仕方ない」という認識がありました。しかし、求職者の意識は確実に変わっています。
大手企業が5%以上の賃上げを実施する中、それに見合った賃金水準を提示できない企業は、応募が集まらないだけでなく、既存社員の離職も増えてしまう可能性があります。
賃上げはもはや「できればやる」ではなく、採用・定着のための最低条件になりつつあると言えるかもしれません。
「基本給アップ」だけが賃上げではない
賃上げの手段として真っ先に思い浮かぶのが基本給の引き上げですが、これは固定費の増加に直結するため、慎重な判断が必要です。
以下のような手当の設計も有効な選択肢かと思います。
- 資格手当・技能手当:スキルアップへの動機づけにもなる
- 役割手当:等級制度と連動させることで公平感が生まれる
- 業績連動手当:会社の利益と連動させることでリスクを分散できる
手当は一度設定すると変更・廃止が難しい場合もあるため、導入前に就業規則との整合性を必ずご確認ください。
人件費増に備えるための実務対応

賃上げを「コスト」で終わらせないためには、制度整備が欠かせません。
① 等級制度の整備
「誰がどの水準の仕事をしているか」を明確にする等級制度があると、賃金設計の根拠が明確になります。属人的な賃金管理から脱却する第一歩にもなります。
② 評価制度の見直し
賃上げを行う際に「なぜこの人がこの金額なのか」を説明できる評価制度があれば、社員の納得感も高まります。評価基準があいまいな場合は、この機会に整理することをおすすめします。
③ 賞与配分の工夫
基本給の固定費を抑えつつ、業績連動型の賞与設計で柔軟に報いる方法も有効です。好業績の年は手厚く、厳しい年はコントロールできる仕組みが、中小企業には向いているかもしれません。
④ 助成金の積極活用
「業務改善助成金」「キャリアアップ助成金」など、賃上げを後押しする助成金はたくさん存在します。要件を満たしていれば、実質的な人件費負担を軽減できる可能性があります。まずは自社が対象かどうかを確認してみることをおすすめします。
まとめ

賃上げ時代において中小企業が生き残るためには、「とりあえず基本給を上げる」という場当たり的な対応ではなく、制度全体を見直しながら計画的に人件費をコントロールする視点が重要かと思います。
是非、この機会に自社の賃金・評価制度を一度見直してみてください。
賃金制度の設計・見直しや助成金の活用など、お気軽にご相談ください。当事務所では中小企業の人事労務全般のご支援が可能ですので、不安な点等がございましたらお気軽にお問い合わせください。
最後までご覧いただきありがとうございました。
